疲労感や頭痛、肌荒れが慢性的に続いている?頭がぼんやりしてうまく脳が働かない?
グルテンアレルギー、あるいはグルテンフリーと言う言葉を聞いたことはないだろうか。日本ではそこまで普及している概念ではないが、アメリカやヨーロッパでグルテンが引き起こす健康障害が広く知られており、多くの人がグルテンフリーダイエットを実施している。
しかし、グルテンアレルギーとは一体何なのだろうか?どんな症状が起きるのだろうか?
グルテンアレルギーにはいくつかの種類があり、これには純粋な小麦アレルギーや、セリアック病も広い概念では含まれる。これらの病気の症状には重複もあり、原因が特定しずらい消化不良、肌荒れなどが発症することもある。
このような症状に苦しんでいる全ての人がグルテンアレルギーを持っている訳ではなく、他の原因がある場合もあるだろう。しかし、もしその症状の原因を医師でさえ特定できないのであれば、グルテンが諸悪の根源である可能性がある。
今回は、小麦アレルギー、セリアック病、グルテンアレルギーとは何か知り、グルテンアレルギーが引き起こす8つの主な症状の解説をする。
もし、今回解説する8つの症状に心当たりがあれば、健康な体を取り戻すため、グルテンフリーの食生活を試してみることをおすすめしたい。
小麦アレルギーとは?
小麦アレルギーというのは、小麦に含まれているタンパク質に体の免疫システムが反応を起こすことから発症し、これは小麦に含まれているグルテンだけが原因の訳ではない。
小麦アレルギーは小さい子供には一般的であり、12歳以下の約65%の子供は、症状の大小はあるにせよ、小麦アレルギーを持っていると言われている。
小麦アレルギーの症状
小麦アレルギーの症状として、以下が挙げられる
- 吐き気
- 下痢
- 口や喉の痛み
- じんましんやかぶれ
- 鼻づまり
- 目の痒み
- 呼吸困難
そして、小麦アレルギーの症状は、小麦を食べて数分以内に発症することが一般的だ。
小麦アレルギーの症状は、軽いものから命に関わるものまで様々だ。アナフィラキシー症候群として知られる呼吸困難が起こることもある。小麦アレルギーを持っていても、大麦やライ麦などその他の穀物にアレルギー反応を示さないない人も多い。
セリアック病とは?
セリアック病は、免疫システムがグルテンに反応することにより起こる。グルテンは、小麦だけでなく、大麦やライ麦など、麦類に含まれている。
もし、セリアック病が発症した場合、麦類を食べると免疫システムがグルテンに過剰反応し、腸の細胞にダメージを与える。ダメージが与えられた腸では、必要な栄養素を吸収することができなくなり、これが機能不全を引き起こす。
セリアック病の症状
セリアック病には様々な症状がある。子供には特に消化機能の不全が一般的だ。症状には以下が含まれる。
- 腹部にガスがたまる
- 慢性的な下痢
- 便秘
- 便の悪臭
- 腹痛
- 吐き気、嘔吐
成長期において栄養が十分に吸収できなかった場合、他の症状を引き起こす場合もある。
- 成長の遅れ
- 思春期の遅れ
- 情緒不安的
- 体重の減少
- 歯のエナメルの欠如
大人がセリアック病を持っている場合、消化不良を起こすこともあるが、下記のような症状を引き起こしやすい。
- 疲れ
- 貧血
- 不安や憂鬱
- 骨粗鬆症
- 関節の痛み
- 頭痛
- 口内炎
- 生殖機能の低下や流産
- 生理不全
- 手足の痛み
グルテンアレルギーとは?
そもそもグルテンとは?
グルテンは、小麦、大麦、ライ麦など、小麦や麦類に含まれるタンパク質のことである。グルテンは食べ物の形を維持し、糊のようなもちもち感を出す働きをする。
グルテンは多くの食品に含まれており、予想もしないようなものに含まれていることも多い。
グルテンを含む食品の例
- パン 、ハンバーガー
- ケーキ、パイ、クッキー等
- うどん、ラーメン、そうめん、パスタ、蕎麦等の麺類
- 唐揚げ、天ぷら等の揚げ物
- シリアル
- 醤油、味噌、コンソメ、だしやその他の調味料
- カレールー
- ドレッシングやソース
- スープ
- ビール
グルテンアレルギーとは?
グルテンアレルギーの症状が、セリアック病や小麦アレルギーを持っていない患者に発症していることが明らかになりつつある。
グルテンアレルギーは、小麦アレルギー、セリアック病の検査で陰性と出たにも関わらず、グルテンを食べで発症した症状だ。
多くの患者が、麦類を食べた後に医者に不快な症状を伝えていることから、研究者はこれらの状況を、セリアック病ではない「グルテンアレルギー」と呼び、原因を解明しようとしている。
諸説あるが、人口の10-30%程度はグルテンアレルギーを持つと言われている。
グルテンアレルギーの症状
一般的なグルテンアレルギーの症状は以下が挙げられる。
- 慢性的な肌荒れ(アトピーのような症状も含む)
- 精神的な疲れ、ブレインフォグ
- 疲労
- 腹部のガス、腹痛
- 頭痛
グルテンアレルギーを持っているかどうかを検査する手段は現在のところない。アメリカやヨーロッパではグルテンアレルギーは一般的な症状として知られているが、日本ではまだ普及しておらず、医者はこの症状に対して診断をすることも出来ないだろう。
一般的に、医者にこのような症状を相談しても、ストレスや寝不足などが原因とされてしまい、グルテンアレルギーの可能性は疑われない。そのため、グルテンアレルギーは自分自身でアレルギー体質があるかどうかテストをする必要がある。
グルテンアレルギーがあるかどうか知るために一番の有効な手段は、何を食べたのか日記を付け、症状と麦類の接種の関係を解明することだ。2週間程度麦類を食べることを辞め、症状がなくなるかどうかチェックしてみると良いだろう。
グルテンアレルギー8つの症状
出典:https://www.verywellhealth.com/surprising-signs-you-may-have-a-gluten-allergy-4147574
消化不良
グルテンアレルギーを持つ全ての人が消化不良の問題を抱えている訳ではないが、消化不良は代表的な症状の一つだ。これには、下痢や便秘、腹痛を含み、セラリック病の症状にも見られるものだ。
グルテンを食べることを辞めた後に、それらの症状がなくなったと言う報告も多くある。一方で、グルテンアレルギーがあったとしても、グルテンを食べて消化不良が必ず起こる訳ではないため注意が必要だ。
多くのグルテンアレルギーの人たちは、ここであげる問題の一つを主な症状として持ち、消化不良が問題にならない人もいる。一方、慢性的な消化不良に苦しんでいれば、グルテンが原因である可能性があるだろう。
肌荒れ、痒み(アトピーのような症状も含む)
セリアック病、グルテンアレルギーの患者は、肌の問題を抱えることが多い。慢性的な肌荒れや、アトピーのような痒みを引き起こす。
もちろん、全ての肌荒れにグルテンが原因である訳ではない。
一方、肌の赤みや痒みに恒常的に苦しんでおり、何をしても治らない・あるいはすぐに再発する・原因がわからないのであれば、グルテンフリーの生活を初めてみるのも良いだろう。
2週間ほどグルテンを抜く生活をすると、肌荒れが綺麗に治ったと言う報告も多くある。ここで解説する症状の中では目に見えてわかる効果のため、ガザガザ肌や痒みに悩まされている人は、是非グルテンフリーダイエットを試してみてほしい。
ブレインフォグ
聞きなれない言葉かもしれないが、ブレインフォグを持つと、集中できない、考えられない、頭がぼーとっするなどの症状がでる。何か書いている時や、考えている際、会話をしている際に、気が散ったり混乱してしまうこともある。
ブレインフォグはグルテンアレルギーでは一般的な症状であり、セリアック病の患者にも同じ症状がみられる。
ブレインフォグがあるからといって、グルテンアレルギーがあるとは言い切れないが、もし心当たりがあり、ここで説明する他の症状もあるようであれば、グルテンが原因である可能性があるだろう。
テニス選手のジョコビッチは、グルテンを食べていた際には試合の成績も悪く、試合中に気を失ってしまったこともあるのだが、グルテンフリーダイエットを始めてからパフォーマンスが劇的に良くなり、世界一のテニス選手になることが出来たのだ。
頭痛
グルテンアレルギー、セリアック病を持つ人は、頭痛持ちの傾向がある。Medical JournalのHeadcaheの研究によると、56%のグルテンアレルギーを持つ人、36%のセラリック病患者が慢性的な頭痛に苦しんでいるとレポートしている。
偏頭痛に関しては、21%のセラリック病患者が持っているとの報告がある。
もちろん、頭痛や偏頭痛が他の食べ物や生活習慣によって引き起こされる可能性はあるが、グルテンを一つの原因だと考えても間違いではないだろう。
手足のしびれ
時々手足のしびれを感じるのは普通のことであるが、グルテンアレルギーの患者は恒常的に手足のしびれを持つことがある。
手足のしびれは、セラリック病患者の半数程度に起こると言われている。
この手足のしびれも、肥満やその他の生活習慣が原因であることもあるため、単に足がしびれたといってグルテンアレルギーを疑う必要はない。しびれの原因に他のことが考えられるのであれば、医者と話してその原因を突き止めた方が良いだろう。
ADHD
ある研究は、セラリック病の患者はADHD持ちである傾向が高いと報告している。そして、グルテンを食べるのを辞めた途端に症状が回復、あるいはなくなったという報告がある。
医学的な研究で因果関係が明らかにされた訳ではないが、グルテンアレルギーが原因となり、脳が上手く機能しなくなったことから、ADHDが引き起こされている可能性は十分にあるだろう。多くの親は、子供にグルテンを与えなくなった後に、ADHDの症状が回復したと言う報告をしている。
もちろん、小麦を与えなくなった=砂糖や他の添加物の除去に繋がり、その結果症状が回復したということも考えられる。
一つ言えるのは、グルテンフリーダイエットは、セラリック病やグルテンアレルギーの疑いがある場合、ADHDの症状回復に役立つ可能性があることがあることだ。
不安や憂鬱
多くの研究が、セラリック病と不安、憂鬱との関係を発見したと言うことに驚く読者がいるかもしれない。
科学的な研究はなされていないが、グルテンアレルギーを持つ人も、グルテンを食べた後に不安や憂鬱が高まることがあると報告している。
他のグルテンアレルギーの症状と共に、不安や憂鬱を抱えているようであれば、グルテンを抜く生活をして原因を探ってみると良いだろう。
不安や憂鬱はグルテンだけが原因で引き起こされるものではないが、グルテンが原因でその気持ちが増強されたと言う話は良くあるものだ。
不妊や生殖機能の低下
セラリック病と生殖機能の低下には強い関係が発見されており、この症状はグルテンアレルギーを持つ人に見られてもおかしくない。男女ともにセラリック病と診断されたカップルは、不妊に苦しむ傾向にあると知られている。
グルテンアレルギーに関しては、多くの医療関係関係者はグルテンと不妊の関係があると考えているが、それを証明する十分な医療研究はされていない。
セラリック病と診断されたのであれば、グルテンを抜くことで問題が解決される可能性があるだろう。他の症状なども勘案した上で、グルテンアレルギーの疑いがある場合、パートナーと話した上で、グルテンフリーの食生活をしてみる価値はあるのではないだろうか。
グルテンアレルギーを疑う場合の対策「グルテンフリー」
グルテンフリーの食生活を始めよう
まず、セラリック病は遺伝の病気のため、家族の症状を調べよう。医者と相談して、小麦アレルギーやセラリック病の検査をしてみるのもありだ。
一方、グルテンアレルギーとなると、診断は難しい。小麦アレルギーやセラリック病の検査で陰性と出たにも関わらず、上記であげたような症状があれば、グルテンフリーの食生活をし、症状が改善されるか確かめる必要がある。
グルテンアレルギーの検査は現時点での医療ではできないため、グルテンアレルギーかどうかを見極める一番の方法は、「グルテンを食べるのを辞めること」である。小麦を食べるのを2週間ほどストップし、症状が綺麗になくなったのであれば、グルテンがその原因であることは明らかだ。
多くの食べ物には小麦や麦類が含まれているため、グルテンフリー生活を始めるのは最初は苦労するかもしれない。医者や栄養士などとも相談し、小麦を抜いたレシピで、健康な体を取り戻そう!
グルテンフリーを実施する上の注意点
食品のラベルに注意する
上記のグルテンを含む食品の一例であげたように、かなり多くの食べ物はグルテンを含んでおり、知らないうちに小麦を摂取してしまうことは良くあることだ。
パンや麺、ケーキなど、明らかに小麦を使っているものだけでなく、味噌や醤油、だしなどの調味料にも小麦が含まれていることが多い。
そのため、グルテンフリーをする場合、ラベルを読むみて小麦が含まれていないか確認しよう。
外食はできるだけ控える
また、グルテンフリーを厳密に実施する場合、レストランや外食も難しくなる。ご飯や魚中心の定食なら良いのだが、揚げ物や味噌汁は遠慮した方が良いだろう。
一つのアドバイスとしては、醤油は小麦が含まれるのだが、かなり少量なので外食する際は食べても問題ないだろう。自宅では、グルテンフリーの醤油を使うことをおすすめする。
2週間は小麦を我慢する
長年食べ慣れてきた小麦を2週間我慢するのは大変かもしれない。ビール、ラーメン等も、この2週間は摂取しないようにしよう。
小麦を美味しそうに食べる友人や同僚を見て、少しなら良いか・・と思ってしまうこともある。
しかし、この2週間は、人生を変える2週間。今まで苦しんでいた痒み、ガサガサ肌、腹痛、子供の不調など、グルテンを辞めると解決する可能性があるのだ!小麦を摂取してしまうと、グルテンフリーが出来ずに症状も回復しないため、テスト期間中はグルテンを避ける必要がある。
周りの人には、「体調不良で医者にグルテンフリーを勧められたから」 と言って納得してもらおう。
参考:
https://celiac.org/gluten-free-living/what-is-gluten/
https://www.verywellhealth.com/surprising-signs-you-may-have-a-gluten-allergy-4147574
https://www.healthline.com/health/allergies/gluten-allergy-symptoms
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